「動くけど、採用できない」AIコードの見分け方

「動くけど、採用できない」AIコードはどこで見分ければいいのか?

AIで生成したコード、エラーは出ていない。
画面も想定どおりに表示されている。

それなのに、実務に組み込もうとすると手が止まる。
「このまま入れて大丈夫だろうか」
「あとで直すのが大変にならないだろうか」

生成AIをコーディングに使うようになると、
こうした違和感に出会う場面が増えてきます。

前回の記事では、
AIが書いたHTMLやCSSが、なぜ“後から直しづらい状態”になりやすいのかを整理しました。

今回はその続きとして、
「動いてはいるが、実務では採用しづらいAIコード」を、
どこで・どう見分ければよいのかを整理していきます。

AIを疑うための記事ではありません。
「判断できる側に立つための視点」を言語化することが目的です。

「動くコード」と「採用できるコード」は別物

実務でまず整理しておきたいのは、
「とりあえず動く」ことと「採用して運用できる」ことは別という点です。

AIは、要件を満たすコードを素早く生成するのが得意です。
表示確認まで進むと、「もう完成では?」と感じやすくなります。

ただし実務では、その先に必ず、
修正・追加・仕様変更・引き継ぎといったフェーズが待っています。

そのときに、
「このコードは、後から触れる前提で書かれているか?」
という視点が、判断の分かれ目になります。

見分けポイント① 影響範囲が読めるか

採用しづらいAIコードに共通する特徴のひとつが、
「どこまで影響するのか」がコードから読み取れない点です。

HTMLであれば意味の単位が曖昧だったり、
CSSであればセレクタが広すぎたりします。

その結果、少し修正するだけなのに、
「別の画面まで壊れるかもしれない」という不安が生まれます。

ここでの判断軸はシンプルで、
「この修正が、どこまで波及するかを説明できるか」です。

それが言葉にできない場合、
そのコードは“動いてはいるが、まだ採用段階ではない”と整理できます。

見分けポイント② 修正の入口が見えるか

採用できるコードには、
「ここを触れば、この変更ができる」という入口があります。

一方でAI生成コードでは、
どこを直せばよいのか分からず、
全体を読み始めてしまうケースが少なくありません。

これは、HTML・CSS・JavaScriptの責務が混ざっているサインでもあります。

「今回の変更は、見た目の話か、構造の話か、挙動の話か」
この問いに対して、コード側が答えを返してくれない場合、
修正の入口が閉じている状態だと言えます。

見分けポイント③ 設計の意図が言葉にできるか

動くけれど採用しづらいコードの決定打は、
「なぜこの書き方なのか説明できない」ことです。

AIが生成するコードは、見た目としては成立しています。
ただし、その裏にある設計意図は明示されていないことが多くあります。

「なぜこの構造なのか」
「なぜこの指定がここにあるのか」
こうした問いに言葉で答えられない場合、その設計はブラックボックス化しています。

実務では、説明できない設計は、
修正や引き継ぎのたびに確実にコストになります。

採用しない=無駄、ではない

ここで大切なのは、
採用しなかったAIコードが「失敗」ではないという点です。

AI生成コードは、
完成品ではなく、判断材料として捉えると扱いやすくなります。

・構造のヒント
・実装パターンの候補
・見落としていた選択肢

これらが得られていれば、
そのコードをそのまま使わなくても、十分に価値があります。

むしろ、「なぜ採用しなかったのか」を言語化できた時点で、
判断の精度は一段上がっています。

まとめ|AIコードは「判断材料」として使う

「動くけど、採用できない」AIコードは、
実務では珍しいものではありません。

重要なのは、動いたかどうかではなく、
「運用フェーズを想像できるか」です。

  • 影響範囲が読めるか
  • 修正の入口が見えるか
  • 設計意図を言葉にできるか

これらを確認するだけで、
AIコードに振り回される場面は確実に減っていきます。

次の記事では、
BootstrapやHTML / CSSのコーディングを前提に、
生成AIを実務で使いこなすための前提整理と指示の出し方を掘り下げます。

まずは、手元にあるAI生成コードを一つだけ選び、
「これは採用コードか、それとも判断材料か?」
という視点で眺めてみてください。

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