生成AIパスポートの学習を始めるにあたって、
まず最初に整理しておきたいのが「AI」と「生成AI」の違いです。
「何となく分かっているつもりだけど、説明しようとすると難しい」
そう感じている方も多いのではないでしょうか。
実はここが曖昧なままだと、その後の学習で迷いやすくなります。
この回では、専門用語に寄りすぎず、
試験でも実務でも役立つ考え方として、
AIと生成AIの違いを一緒に整理していきましょう。
目次
そもそもAI(人工知能)とは何か
AI(人工知能)という言葉は、とても幅の広い概念です。
試験対策としては、「人間のように考える存在」と捉えるより、
人が行っていた判断や処理をコンピュータで再現する仕組み
と理解すると整理しやすくなります。
AIには、大きく分けて次の2つの考え方が含まれます。
- ルールベースAI:人が決めた条件やルールに従って処理する
- 機械学習ベースAI:データからパターンを学習して判断する
たとえば、迷惑メールの振り分けや売上予測などは、
過去データをもとに分類・予測・判定を行うAIです。
これらは、文章や画像を新しく作ることはしません。
AIの包含関係を整理する(重要)
生成AIパスポート試験では、
AIの包含関係(入れ子構造)がよく問われます。
ここは、ぜひ一度しっかり整理しておきましょう。
基本となる関係は、次の順番です。
- AI(人工知能)
- ┗ 機械学習(Machine Learning)
- ┗ ディープラーニング(深層学習)
- ┗ 生成AI(Generative AI)
つまり、生成AIはAIの中の、さらに一部にあたります。
「AIと生成AIは別物」ではなく、
生成AIはAI技術の発展形のひとつだと理解すると混乱しにくくなります。
識別系AIと生成AIの違い
従来のAIの多くは、
識別系AI(Discriminative AI)と呼ばれます。
識別系AIは、「これは何か」「どちらに当てはまるか」
といった分類・予測・判定が得意です。
- スパムメールかどうかを判定する
- 画像に人の顔が写っているかを識別する
- 需要を予測する
一方、生成AI(Generative AI)は、
新しい文章や画像を作り出すことを目的としています。
この対比を押さえておくと、試験問題でも判断しやすくなります。
生成AIとは何ができるのか
生成AIは、大量のデータを学習し、
「次に来そうな要素」を確率的につなげることで、
文章や画像を生成します。
そのため、次のような使い方が得意です。
- 文章の下書きを作る
- 言い回しを変える
- 要点をまとめる
- アイデアのたたき台を出す
ただし、生成AIが作るのは、
「もっともらしい文章」です。
内容が事実かどうかを、自分で確認しているわけではありません。
ハルシネーションという重要な性質
生成AIが、事実ではないことを、
あたかも事実のように生成してしまう現象を
「ハルシネーション(幻覚)」と呼びます。
これは生成AIの仕組み上、
完全に防ぐことが難しい性質です。
そのため、試験でも実務でも、
人の目によるファクトチェックが必須だとされています。
また、著作権の観点では、
生成AIが学習に用いたデータの扱いについても、
常に注意が必要です。
特に商用利用では、
生成物だけでなく、学習データの著作権問題にも配慮する姿勢が求められます。
試験で問われるポイント
STEP1-01で押さえておきたい試験ポイントは、次の4点です。
- 生成AIはAIの一部である(包含関係)
- 識別系AIと生成AIの役割の違い
- 生成AIは「もっともらしい」出力をする
- 最終的な判断と責任は人が持つ
これらを自分の言葉で説明できる状態になっていれば、
STEP1としては十分です。
実務・Web運営での判断につながる視点
Web運営や情報発信では、
生成AIを使うことで文章量を増やすことができます。
しかし大切なのは、スピードよりも確認と整理です。
Webデザインと同じで、
「それっぽく見えるか」ではなく、
誰に、何を、どう伝えるかを人が判断します。
生成AIは下書きや補助役。
主役は人である、という前提を持つことが、
安心して使い続けるための判断軸になります。
まとめ|まずはここを押さえればOK
今回は、AIと生成AIの違いを、
試験対策と実務の両面から整理しました。
今日のポイントは、次の3つです。
- 生成AIはAIの中の一部である
- 識別系AIと生成AIは役割が違う
- 生成AIはもっともらしい文章を作るため、人の確認が必要
次回は、
「人工知能の歴史をざっくり理解する」をテーマに進めていきます。
焦らず、一つずつ積み上げていきましょう。




