前回までで、
生成AIの主なツールと役割を一通り理解できました。
ここで多くの方が、次の疑問を感じます。
「同じAIを使っているのに、
うまくいく人と、そうでない人がいるのはなぜだろう?」
その答えが、
プロンプト設計にあります。
プロンプトを工夫して、
AIからより良い回答を引き出す技術を
プロンプトエンジニアリング
と呼びます。
試験や専門的な文脈では、
こちらの呼び方が使われることも多いため、
用語としても押さえておきましょう。
プロンプトとは何か
プロンプトとは、
生成AIに入力する
質問・指示・条件のまとまり
のことです。
講師としてよくお伝えするのは、
プロンプトは
「AIとの会話の設計図」
だという考え方です。
AIは空気を読んで動く存在ではありません。
与えられた情報をもとに、
確率的に「それらしい答え」を作ります。
なぜプロンプト設計が重要なのか
生成AIは、
正解・不正解を判断しているわけではありません。
与えられた条件から、
次に来そうな言葉を予測し、
文章を組み立てています。
そのため、
指示が曖昧だと、
AIは「それっぽい補完」をしてしまいます。
プロンプト設計とは、
AIにコンテキスト(文脈・背景情報)
を正しく共有し、
判断のブレを減らすための技術です。
プロンプトの基本3要素
プロンプトエンジニアリングの基本は、
次の3つです。
- 役割(Role)
- 目的(Goal)
- 制約・条件(Constraint)
この3点を意識するだけで、
出力の再現性が大きく向上します。
役割(Role)を与える
まず重要なのが、
AIに役割を与えることです。
例えば、
「あなたはWeb初心者向けの講師です」
と指定するだけで、
回答の視点が変わります。
役割を与えることは、
AIが学習した膨大な知識の中から、
特定の分野の知識を優先的に使わせるための
スイッチのようなものです。
目的(Goal)を明確にする
次に、
何のための出力か
を明確にします。
例としては、
「初心者に説明する」
「社内共有用にまとめる」
「意思決定の材料を整理する」
などです。
目的を伝えることで、
AIに適切なコンテキストが共有され、
情報の取捨選択がしやすくなります。
制約・条件を伝える
最後に、
制約や条件を加えます。
- 文字数の目安
- 専門用語を使わない
- 箇条書きで整理する
- です・ます調で書く
制約はAIを縛るためではなく、
迷わせないための補助情報
です。
例示(Few-Shot)というテクニック
プロンプト設計で非常に効果的なのが、
例を見せる
という方法です。
何の例も示さずに指示する方法を
Zero-Shot(ゼロショット)、
いくつか例を示す方法を
Few-Shot(フューショット)
と呼びます。
もし理想の書き方があるなら、
「例えば、こんな感じです」
と1〜2個の例を示すだけで、
AIは格段に正解に近い答えを出します。
シンプルな改善例
改善前(曖昧):
「ブログを書いて」
改善後(具体):
「あなたはWeb初心者向けの講師です。
中小企業の担当者向けに、
専門用語を使わず、
800文字程度で、
ブログ記事の導入文を書いてください。」
この違いが、
出力の質と再現性の差になります。
試験で押さえるポイント
- プロンプト設計はプロンプトエンジニアリングとも呼ばれる
- 役割・目的・制約が基本構成
- Zero-ShotとFew-Shotの違い
- 同じ指示でも出力が毎回変わる(ばらつき)
- 一度で終わらず、指示を重ねて改善する
まとめ|AIは「指示された通り」に動く
生成AIは、
自分で考えているように見えて、
実際には指示に従って動く道具
です。
プロンプトエンジニアリングを理解すると、
AIは「当たり外れのある存在」から、
「意図通りに動く補助役」に変わります。
次回からは、
生成AIを使う上で避けて通れない
リスク・法務・倫理
の話に進みます。




