Webサイトの制作を相談をいただく際に、「Internet Explorer に対応したい」という要望をうかがうことがあります。主要ブラウザの日本国内のシェアを調べてみると、最新バージョンの「Internet Explorer 11」で約7%、「Internet Explorer 10」以下では約1%程度ではないかという調査データがみられました。
「Internet Explorer 10」より下にあたる「Internet Explorer 9」、「Internet Explorer 8」が稼働している環境をあげると、「Windows XP」や「Windows 7」などがあります。実際に「Windows XP」搭載のパソコンでインターネットを使用している場面に出会うと、制作するWebサイトを「Internet Explorer に対応したい」という要望があれば対応したいと思うところです。
本日の本題として、レスポンシブ対応のWebサイトを制作するために用いられるフレームワークとして人気の「Bootstrap」を用いて構築する「Internet Explorer に対応する」要望をクリアするためには、どのようにすればよいかをまとめてみました。
Bootstrap 5 の「Internet Explorer」対応状況
現行の最新バージョンであるBootstrap 5では、「Internet Explorer」には対応せず、「Microsoft Edge」に対応するようと切り替えられている状態になります。
「Internet Explorer」は、Microsoftよりサポートが終了する予定で進めれているいるため、全世界的には「Internet Explorer」がなくなる方向に沿っているのだと思います。
Bootstrap 5にて採用さているCSSやJavascriptを用いた機能の一部が「Internet Explorer」では機能しないこともあり、「Internet Explorer」を想定する場合は、Bootstrap 5 を採用する選択肢はなくなります。
Bootstrap 4 の「Internet Explorer」対応状況
Bootstrap 4 では、「Internet Explorer」への対応がありますが、「Internet Explorer」のバージョンが10以降となっています。そのため、「Internet Explorer 9」、「Internet Explorer 8」は対応外となっています。
「Internet Explorer 9」、「Internet Explorer 8」が対応外となっているのは、Bootstrap 4 がFlexboxを採用することで、フレキシブルなレイアウト構築を実現している点が挙げられます。
「Internet Explorer 9」、「Internet Explorer 8」では、Flexboxは未対応で、「Internet Explorer 10」でもベンダープレフィックス(-ms-)が必要であったり、他のブラウザでの表示とは異なってしまう点があったり、Bootstrap 4 を採用した際は、「Internet Explorer」のための調整が必要になります。
Bootstrap 3 の「Internet Explorer」対応状況
Bootstrap 3 では、限定付きではありますが、「Internet Explorer 9」、「Internet Explorer 8」にも対応することができます。
Bootstrap 3 では、レイアウトの構築にfloatを用いていることもあり、「Internet Explorer 9」、「Internet Explorer 8」にも対応したレスポンシブ対応のWebサイトを構築する手助けになります。
ただし、「Internet Explorer 9」、「Internet Explorer 8」では対応していないCSSプロパティ、HTML5に未対応の内容があるため、HTML5に対応させるhtml5shivや、CSS3に対応させるCSS3 PIE、Respond.jsなどを組み込む必要があります。
また、「Bootstrap 4」と「Bootstrap 3」では、基本的なクラスの使い方が変更されて箇所があるため、「Bootstrap 3」で構築後、「Bootstrap 4」へ移行する場合は、クラスの変更など再構築が必要になります。
以上のような対応状況を踏まえて、「Internet Explorer に対応したい」という要望をかなえながらも、将来は「Internet Explorer」がなくなってしまう可能性が高いことを踏まえて、計画的な運用プランを提示していきたいと思います。